人気ブログランキング | 話題のタグを見る
先日のテレビ番組「ジャポニカロゴス」(タモリさん司会)は楽しかった。
いくつかの問いに対して、金田一秀穂教授の解説があった。
たとえば、これ。

夕方に、社長にばったり会ったらなんと挨拶すればいいか?
    →「社長、どうも・・」

総理大臣に、醤油をとってもらいたいとき、なんと言えばよいか?
    →「総理・・・・醤油・・」


目からウロコ、であった。
これが必ずしも唯一の正解ではないだろうが、それにしても驚いた。
そして、「なるほど!」と手を打った。
言葉は正しく言えばいいのではなくて、時には濁すことも立派な敬語になる。
間合いや表情やしぐさも大事、ということなのだろう。

日頃の自分を鑑み、ハッとした。
私は、理路整然と語るのが分かりやすいと思うあまり、
ピシャリ!と全文を正しく言い切ってしまうことが多い。
でも、正しくきちんと言っているけど相手に気持ちが伝わらない、
意味は伝わったけれど、雰囲気はぎくしゃくする、なんてこともたまにある。
商談で、ハッキリ言っても、逆に疎ましがられたり。
友だちの結婚式で、流れるようにスピーチしてしまい、
気持ちがまったく伝わらなかったり。

私は最初、それは、相手と状況が悪いのだと思っていた。
こっちは正しいことをハッキリ言っているのに、なぜ解釈できないのか、と。
そして、最近は、自分に人望や人気がないせいかもしれない、と思い始めていた。
同じことを言っても、発言が通る人もいれば、流される人もいる。
それって、聞く側が、発言自体ではなく、人柄で判断しているからだよね、と。
それって、フェアじゃないよ、と。

これらの考え方は、どちらも少しは合っているのかもしれない。
でも、一番の問題は、そこじゃない。
前者の考えは浅すぎるし、後者の考えは深すぎるんだ。
解釈できない奴!と他人を斬るのは考えが足りないし、
自分の人間性まで否定するのは悩みすぎ。
「やっぱり、言い方も大事だよね」と、
二者の中間くらいで考えるのがよい気がしてきた。

書き言葉と話し言葉は違う。
弁論部じゃないんだから、論破することに価値があるわけじゃない。
臨機応変、いい加減、よい加減が大事。
日常生活や、普段の仕事では、正しくきちんと話せることよりも、
感じよく、思いを伝えられることのほうが、数倍大事なのかもしれない。

言い方ひとつ、表情ひとつで、うまく伝わることって多いんだろうな。
ちょっと柔らかい頭で考えてみたほうがいいかもね。
テレビをみながら、そんなことを思った正月なのだった。
# by aco_325 | 2005-01-05 18:23 | レビューなど

M1グランプリ

だいぶ時機を逸したきもするけど、
今年のM1グランプリについて書かずには歳を越せない!

M1というのは言わずと知れた、漫才の日本一を決める大会。
(こう書くとなぜか緊迫感がないが、実は相当シビアな戦いらしい)

私は、今年はアンタッチャブルが優勝せずに一体誰が優勝できようか(反語)
などと思い、鼻息荒くテレビを観ていた。
笑い飯の前評判が高かったようだが、私は笑い飯はさほど面白いと思わない。
ダブルボケの形式が目新しく勢いに乗れるという楽しさはあるが、
ネタそのものの着眼点、ストーリー性においては
アンタッチャブルの比ではないと常々思っていた。

そして、見事、アンタッチャブル優勝。
ネタの持ち時間は4分間だったらしいが、
私はアンタッチャブルのネタをみはじめて1分経たないくらいで、優勝を確信し、
あとは安心してネタそのものを楽しむことができた。
M1は、緊張感があるので観ている側までドキドキして笑えなかったりするのだが、
これでやっと安心して笑えると思い、そしてその通り安心して大笑いした。

ネタの内容がどうのこうのと書くと際限がないのでやめておくが、
アンタッチャブルが素晴らしいと思う点をなぜか箇条書きにしておこう。

◎ネタのテーマや設定に普遍的な面白さがある
◎ふたりの仲の良さがにじみ出ている(とくに、柴田さんが山崎さんをみる目)
◎仲がよいけど馴れ合いになっておらず、ネタの質をおとしていない
◎心底、お笑いを楽しんでいる姿勢がうかがえる
◎ストーリー性、起承転結がある
◎世の中や人への愛がある
◎よもやのボケ
◎ボケを二倍三倍に輝かせるツッコミ
◎線画で描けそうな容姿

ああ、怖いくらいに書き連ねてしまった。
とにかく、とても好きなのだ。
私は、どちらかというと、斜に構えたシュールな芸人さんが好きだし、
仲の良さに紛らわされずネタそのものの内容で判断すべし!なんて思っていたのに
こんなにも真正面からスタンダードな笑いを追求しているアンタッチャブルに
たいそう惹かれてしまう。とても不思議。

これは何か。
私の中にある、ごくごく僅かな「善」の部分が反応しているのだろうか。
たまに、彼らのネタを観て、泣きそうになるのは心の琴線に触れるからだろうか?
そこは触れちゃならねぃよ!という部分に。

これぞまさしく、アンタッチャブル。
# by aco_325 | 2004-12-31 06:15 | レビューなど

似てる人

似てるなぁ、と思う人。

ウルフルズのベース担当JOHN B CHOPPERさんと
http://www.ulfuls.com/

お笑い芸人シャカの植松俊介さん
http://www.watanabepro.co.jp/


前々から似ているとよく言われていたこの二人。
顔立ちも佇まいも似ている。
少し前に、テレビのお笑い番組になぜか
JOHN B CHOPPERさんが出ていたのだけど、
途中から見たわたしは、当然、植松さんだと思っていた。
それにしてもよく似てるなぁ、なんて思っていたら、JOHNさんだったのだ。
もう、音楽とお笑いの垣根を越えて出演されたら
判別のしようがないんですけど・・。ははは。
しかもJOHNさんはお笑いセンスもあるようで、なかなかの活躍ぶりときた。
今後、ますます見分けがつかなくなるだろう。

ちなみに、JOHNさんは、一度ウルフルズを脱退して先日復帰された。
脱退する前、NHKの「トップランナー」に出演していて、
“僕はそんなにベースがうまくないから申し訳なくて・・”といったような
発言をしていて元気がなく、他のメンバーも司会の大江千里さんも心配げだった。
だから、しばらくして脱退のニュースを聞いたとき
私は驚いたけれど、どこかで、あぁやっぱり、と思ったものだ。

でもそんなJOHNさんが、何年か後にウルフルズに復帰され、
先日、また「トップランナー」に出ていた。その番組内で、
トータス松本さんが、JOHNさんの脱退後、JOHNさんに一切連絡しなかった、
でも復帰したいと言われたとき、すぐ心の中でOK出した(口にはしなかったが)
というエピソードを聞き、その態度はすごく潔く感じたし、
そんな経緯を経て復帰できて本当によかったなと思った。
この番組には大江千里さんも司会として出ていたのだが、その目をみて、
大江さんもずっと心配していて、いま喜んでいるんだなと感じた。
私も、同じ気持ちだ。迷いがふっきれてまた進めるJOHNさんの姿を
見ることができて、とてもうれしい。

でも、やっぱり植松さんと見分けがつかない。
# by aco_325 | 2004-12-30 20:21 | 日々の暮らし

敢えてそこ

新しく始めたいことは、とくにない。でも
人々に「なぜいまさら」と驚き呆れられることなら
始めてみても面白いかもしれない。

 候補1:タバコを吸いはじめる
 候補2:原動機付自転車の免許を取る

もしくは、「なぜそっちを」と驚き呆れられること。

 候補1:タバコは吸わないが葉巻は吸う
 候補2:自動車免許はないが船舶免許は持っている

だけど、こういう人は、
仕事先とかテレビの中で遭遇するのが楽しいのであって、
自分自身がなってみるもんじゃないんだろうな。
驚き呆れさせるためだけに、肺を黒くしたり教習所に通うなんてイヤだ。
…と、そこを敢えてチャレンジしたら一皮むけるのかな?
# by aco_325 | 2004-12-22 22:38 | 日々の暮らし

金だすか

映画、音楽、本、お笑い、、娯楽はいろいろあって、
どんどん新しい人が出てきてどんどん作品を発表する。
その中で「けっこう好き」なものはよく見かけるし、
たまには「ものすごく好き」と思うものに出会ったりする。

で、この2つの「好き」の差はなんだろうと考えたら、
シンプルに、「金だすか」なのかなと思う。
自腹切ってでもみたいかどうか、だ。

この「金だす」=「ものすごく好き」の基準で考えると、
ものすごく好きなものが、一挙に減るのが面白い。
「なかなか好きだわー」なんて思っていたものも、
「金なら一銭も払わん」などと思えてくる。
はたと目が覚め、真顔に戻る感じだ。

こんな無粋なことを常に考えている必要もないが、たまに
「金だすか」の基準を持ち出してみると、
自分の嗜好や、自分に要るもの/要らぬものがハッキリわかり、
存外気持ちいいように思う。
# by aco_325 | 2004-12-20 20:24 | 私の趣味・嗜好